「シング・ストリート 未来へのうた」感想
現在公開中の映画「シング・ストリート 未来へのうた」をシネ・リーブル梅田で2回見ました。
結論を先に書くと、大好きな映画が増えました。
シング・ストリートを見るきっかけは、Twitterのタイムラインで、相互につながりがないと思う映画好きな何人かが話題にしていたことです。
たまにあるんですが、同時多発的につながりのなさそうな方面から来る共通した話題は結構な確率で当たり。
なので今回も「知らない映画だけど、行ったほうがよさ気だなー」という軽い気持ちで劇場まで行きました。
結果的にそれは大当たり。珍しくサントラを買い、再度見に行くほど。
同監督の前作「はじまりのうた Begin Again」も、2回目に行く前に予習として見ました。
こちらもめちゃくちゃ良い映画で、シング・ストリートに負けず劣らず好きな映画になりました。
映画の良し悪しは人によって評価が異なるし、様々な観点があると思う。
個人的には映画が終わったあともその映画のことを考えるときはたいてい、良い映画の証拠だ。あと体感時間の短さも。
シング・ストリートはそれに当てはまった。
翌日も翌々日もこれからあの二人はどうなったのか、このバンドはどうなるのか。
またこいつらに会いたい。
そんな気持ちにさせられました。
しかし正直なところ、1回目の鑑賞はわりと平常心で、登場人物の若さに食傷気味な感じだった。
けれど、2回目はとある場面で泣いてしまった。
同じ列の4席ほど隣の女性も同タイミングで泣いていたようで、「泣くのわかるぜ!」って気持ちでした。
劇中に「喜びと悲しみは一緒」というようなセリフがあり、まさにあのシーンはそれを素晴らしい映像と音楽で表していた。
見ていて非常に楽しいのに、よくよく考えると悲しさがこみ上げてくる。
それに耐えられずに涙してしまいました
劇中の音楽ではこの場面の曲が一番好きです。
「Drive It You Stole It」は最近のヘビーローテション。
音楽に関して、80’sロック等は僕にとって異文化です。
93年生まれだってこともあるし、今まで聞いてきた音楽はブラックミュージック寄りのものばかりで、日本語ラップが多めだ。
細かなギャグや懐かしい曲やMVは全く分からず、劇場の雰囲気だけでなんとなく把握してました。
デュラン・デュランは名前だけ、a-haは聞けばわかるかも・・・・・・
元ネタが分からない感は仕方ないので諦めてますが、分かっていたらもっと最高だっただろうな。
リアルタイムでその時代を過ごしていた人はやばいと思う。羨ましい。
2回みて気づけたことはいくつかあるけど、中でも「踊る」が一つのキーワードのような気がする。
というのも、他人が踊ることを強要する場面がいくつかあって、まぁ見事に踊れない。
とくにプロム風のMV撮影の時のあれは劇場でも大きな笑いが起こってて、ギャグとして良かったけど。
これは他人に踊らされんなよっていうメッセージなのかなーと。
自分の踊りを好きに踊れっていうふうに僕は解釈しました。
ミュージシャンは音を奏でて、観客は踊れ。それも自由に楽しく。
人生はクソなこともあるけど、進むなら今しかない。
シング・ストリートは可愛らしいバンドメンバーと最高の音楽を通じてそれを教えてくれた。
ジョン・カーニー監督の名前も覚えたし、次回作も必ず劇場で見たい。
以下、蛇足なお気に入り箇所。
・兄貴が良い。とってもシンプルなセリフをズドンと言い放つ。「This is school.」長男としての苦しさも吐露したり、それでも末っ子が好きだったりで、ほんとう良い兄弟だー。
・喧嘩の後の仲直りの仕方がリアル。謝るとかじゃあないんだ。喧嘩の原因を踏まえたうえで、仲良くやっていく。大人だ。
・バンドに加入する最後のメンバー。あの子が加入する経緯はちょっと急な気がする。けれど、2回目を見て気づいた。彼がステージに現れたあと、すっとステージ端のキーボードの前に立ち、弾いていたことを。アップにされることもなかったので確信はありませんが、彼もれっきとしたメンバーになっていると思うと胸熱。
・エイモンがハイスペックすぎなのに、うさぎ好きなの最高だ。彼の家のギャグシーンはどれも良い。雑音やタバコのやつ。
・バンド名を決めてから、スローモーションで出てくるのがうさぎ小屋って格好良くて悪い。好きな場面の一つだ。
・ちゃんと説明されないけど、美術教師の恋人だったり、両親が最後には同じ部屋で寝ていたり、細部にも気配りがある。
・細部といえば、プロム後で学校をぬけ出す時。校門の前でゲロってる人がいるの結構好き。どうかんがえても不必要なディティールだけど。
・MVを撮るのが目的って新しい。いまはYouTubeがあって素人が映像作品を作ることは普及している。けどそれを昔にも当てはめるのが新鮮。
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