怒り、みた。

「怒り」を見てきた。

タイトルがミスリードというか、本来意味される”怒り”を含めた複雑な感情が描写されまくる良い映画だった。怒りってなんだろう、何に向けてこの人は怒りを覚えているのか、また自分だったらどう怒りを感じで表現するだろうと色々考える。

映像面では、全体を通して人物の表情のアップが多い。陰影がくっきりとしていて、そこに力のある役者陣の渾身の顔がこれでもかと映る。すごく好みだった。演技の好みは人それぞれだけど、今年の演技が優れた邦画の一つだと思う。

あと何度も流れるメインテーマが良い。さすがの仕事っぷり。

見終わった後の余韻が凄まじくて、劇場を出てから無駄に歩き回って熱を冷ましてたりしちゃった。2回目見るにはパワーを貯めないとキツそう。

しょうもないけど結構重要な褒めたい点は、肝心の犯人像になんとなく似てる役者を3人集めたことと、それぞれがしっかり演技ができてるってこと。ここがダメだと成り立たないし、観客に説得感がでなくなるのでバッチリだった。

あと、劇中ラスト近くに登場人物の目線が明らかにこちら側、映画を見ている観客に向けて放たれるのがもう辛いというか最高というか。こういった内容で見る立場の逆転があると、非常に負荷が高い。フィクションだと割り切って見ている出来事が一気に身近なところに落とされる感覚。最近だとマジカルガールとかでもあったけど映画の醍醐味の一つだと個人的には思う。

「怒り」、見て良かった。

原作も読んでみようかな。

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