SCOOP!を見てきた
映画「SCOOP!」を見てきました。
モテキ、バクマン。の大根仁が監督、福山雅治と二階堂ふみが主演。週刊誌のパパラッチと記者を題材にした映画。
結論を言うと見ていて非常に楽しかった。がしかし一部、いや結構乗れない部分があって、最終的には65点位です。
まず一番大きいのが、主演の二人が役柄に合っていないように見えたこと。
映画の売りは、福山雅治が大胆な役柄に挑戦していて、それに二階堂ふみが振り回されるってところだろう。事実、福山雅治はガサツで大雑把な下ネタばっかり言う中年男を演じているが、どうしてもやっぱり福山雅治にしか僕には見えなくて、あるべき下世話さが物足りなかった。つまり、この役柄に僕が思っている福山雅治その人は合っていない。やっぱり汚れきれてない感じがする。終始、このノイズが鑑賞の邪魔をしていた。
また、二階堂ふみも同様だった。上手く言えないけどなんか違うなーって。この辺は各人の好みによるので、大丈夫な人は大丈夫でしょう。僕はダメでした。
そして、この登場人物とそれを演じる俳優・女優のギャップの他にもう一つギャップがあった。それは俗にリアリティラインって言われるもの近いはず。
実写で現代日本を舞台にしていれば、よっぽどの世界観の前提がない限り、僕は僕自身の常識と目線で今いるこの世界と同様な価値観が映像の向こうにも展開していると考える。だから当たり前を装って奇想天外なことが起きれば混乱する。
しかし混乱してもそれがその世界の常識なのだと、鑑賞中に意識を上手く修正できればなんの問題にもならない。SCOOP!はそこが上手いこと行かなくて、乗れなかった。警察にタックルしたり、すぐに釈放されたり、喧嘩が強かったり。
中盤過ぎて終盤に向かう途中で、この映画は2.5次元なんだ!と見方がわかった気がした。
この乗れなさは福山雅治と二階堂ふみ等を2.5次元に落とそうとして2.7次元ぐらいの中途半端な次元で留まってしまっているからなのでは、と考えた。
正直、劇中では幾つも笑っちゃう場面があって、それはそれで良いが法律的にどうなの?とか、急にジャーナリズムの話にもっていったり、突発的な感情が爆発したり、どうにも雑な印象。
その割には映画が長い。時間でなくて物語的に長い。観客の誰しもが思うことだと思う。
ただ、それで起きることがアレってのは攻めてて良い。SCOOP!は福山雅治の役といい、攻めの姿勢最高だと言わざるをえない。
配役でいうと、福山雅治とリリー・フランキーが並ぶのは、映画「そして父になる」を思い出して、とても面白い。リリー・フランキーはやっぱり凄いし好きだ。「悪人」の先生も好きだ。
馬場役の滝藤賢一、副編集長の吉田羊も良かった。
あと、音楽のミックス?なのか普通の劇場なのに低音が凄い出ていた印象。オープニングとエンディングが格好良く聞こえた。
冒頭とラストでドローン撮影が入っているけど、画質がイマイチで夜景がぼやけ気味だったのは気のせいかな。
色々書いたけど、
総括するとサラッと見る分には楽しくて良かった。バクマン。で漫画すげーって思わせてくれた大根仁監督だけど、今作は「ほんとこの仕事最低ですね」ってちょっと嫌な気持ちになったのが意外だった。てっきりゴキブリ以下の仕事にも誇るべき部分があるぞ!ってオチなのかと。
キャストがイマイチだと書いた割にはあの二人のやりとりとかは結構好きなので、エンディングの車内の様子とかは微笑ましく見させていただきました。
走っていく二人を見てちょっと寂しくなった時点で見てよかったなと思う映画でした。
次回作、「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」も劇場で見ます。
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