湯を沸かすほどの熱い愛
「湯を沸かすほどの熱い愛」を見た。
Twitterのタイムラインで知るまで全くのノーマークだった。
「淵に立つ」は劇場予告でタイトルは押さえていたけど、「湯を沸かすほどの熱い愛」は完全にTwitter経由で見に行った。
というのも年間ベスト、生涯ベストに挙げてる人もいるみたいで、期待してました。
あらすじは、銭湯を営む一家の夫(オダギリジョー)が突如行方不明になり一年以上、娘と二人だけで生活しているところに妻の双葉(宮沢りえ)の癌が発覚する。末期癌により余命僅かな双葉が娘、家族のために何をするか。どのように生きるのかが見どころだ。
結論から言うと、泣きそうになりまくってラストでブッ飛ばされた。
劇場ではというより人前では基本泣きたくはないので、今回は何度か目に力を込めて泣かないように努力した。人によってはどのシーンも涙腺を刺激されるはず。
今作はいわゆる闘病もので、人の死が主軸にあるために泣かせやすい話だ。けれど物語の軸は一つではなく複数あり、たとえば娘の安澄(杉咲花)の学校でのいじめがある。各人物のバックボーンの一つ一つが胸を打って、かつメインの話としっかり調和していて泣きそうになる頻度が多かった。
話の展開が予想以上に多くあって、意外にもネタバレに注意しないといけない映画だ。一見、行間や空気を読むような映画に見えるけど、ストーリーがしっかりしているので、ウィキペディアのあらすじは読んではいけない。これに限らず、公開されて間近の映画のウィキは始まりから終わりまで全部書いてあることが多くて意外と危ない。
印象に残ったシーンもかなり多くて、中身の詰まり具合がすごい。とりわけ食事シーンはどこも良かった。これは全篇を通していえるけど、泣けるだけじゃなくて笑えるシーンもあってバランスが良い。しゃぶしゃぶが食べたい。
役者、演技については全く文句なし。宮沢りえも良かったけど、安澄役の杉咲花が光っていたように思う。ただ、聞き取れないセリフがいくつかあったので気になった。
オダギリジョーの出演を知らなかったものだから、出てきたときにとてもビックリした。頼りない軽い感じがハマってて、終盤のピラミッドのところは劇中で一番泣きそうになった。
泣き所が多い映画なのは間違いないが、とりわけラストが本当に衝撃的だった。今年で一番格好いいタイトルの出方に加えて、スクリーンに少し映るアレと煙を見て、鳥肌が立ったし自分の目を疑った。これを考えた人は天才かと。
中野量太監督のことは存じ上げなかったけ名前を覚えた。次回作が公開されたら劇場まで行きたい。
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